
フルサイズとAPS-Cの画質を比較
EOS 5Ds Rの通常撮影(5060万画素)とAPS-Cクロップ(2170万画素)で画質の違いを検証
更新 2023/12/11
New!撮像素子はデカいほど画質がいい
私はこの記事のアクセス数が他の記事に比べてとても多いことに心を痛めていた。あまりにもいい加減なことしか書いていなかったからである。でも記事を書き直すのは時間がかかるし、面倒なので取り急ぎセンサーサイズがもたらすボケ量以外の差を簡単にまとめてみた。色々検証はできる環境なのだが、そういう面倒なのは苦手なんでね。
どうも皆さんフィリポです。某掲示板で“フルフレームカメラでAPS-Cクロップ撮影をするとダイナミックレンジが低下するのが理解できません。画素ピッチ同じなのに。”みたいなスレがあった。みんな親切に説明していたが彼は必死に食い下がっていたよ。ホント頭でっかちなやつだな、高画素のカメラが有るなら自分で試せばいいだけだろ。
フルサイズはAP-Cと比べて同じ画素数なら画素ピッチが広いのでダイナミックレンジが広く、感度ノイズが出にくい。この事実はフォトグラファーの間では常識である。では、全く同じ画素ピッチのフルサイズとAPS-Cでは解像度が違うだけなのだろうか?実際ははそんなことはなく撮像素子はデカいほど画質がいい。私は自分の目で確かめた。

Canon EOS R, SIGMA 24-105 F4 DG OS HSM | Art 013, 105mm, "1.6", f11.0, ISO 100
Canon EOS 5Ds R。5060万画素、ローパスフィルターレスの一眼レフ。骨董品だ。この章ではこのカメラの通常撮影とAPS-Cクロップ撮影の作例を使用してセンサーの大きさが画質に与える影響を検証していく。ちなみにCanonのAPS-Cはクロップ倍率が1.6倍なのでよろしく。以下に示す作例は作例はマニュアル露出のISO 100で撮影している。


Canon EOS 5Ds R, SIGMA 24-105 F4 DG OS HSM | Art 013
左がフルで撮ったもの右がクロップだ。どちらも適正露出、-1EV、-2EVで撮影した写真をHDR合成したもの。両方とも画素数は3994×5430pxで5Ds Rで1.6倍クロップをしたらこの画素数になる。現像はフルの設定をクロップにコピーした。クロップの方は暗いところがより暗く明るいところの階調が荒い。これは合成元の写真のせいだ。

Canon EOS 5Ds R, SIGMA 24-105 F4 DG OS HSM | Art 013
上がフル下がクロップ。左から適正露出、-1EV、-2EVとなる。クロップの方は肌が緑っぽく写っており見た目があまりよくない。同じライティング、同じ色温度、色かぶり補正をしているのに色が違うのは謎だ。また、クロップの方は空が全体的に白っぽくデータが残っていないようだ。クロップすることでダイナミックレンジが低下している。
同じ画素ピッチのフルサイズとAPS-Cを画質比較
上の作例を959×1535pxに切り出して全てを適正露出にし、通常撮影とクロップ撮影の画質の差を検証。5Ds Rは普通に撮影すると8688×5792px(5060万画素)。1.6倍クロップすると5430px×3994px(2170万画素)。そういうわけで、Photoshopのバイキュービック縮小を使って同じ画素数にしている。
意味ないと思うが、クロップ撮影した方もPhotoshopでtif形式に変換してから、LightroomでJpegに変換している。被写体のサイズを合わせるのにズームレンズを使った。レンズは24-105mm Artで、フルは105mm、クロップは57mmだ。本当は66mmじゃないといけなかったんだが、適当かましてしまった。


Canon EOS 5Ds R, SIGMA 24-105 F4 DG OS HSM | Art 013
左フル、右クロップ。かなり大きく表示されているはずだ。フルの方は画質がいい。クロップは輝度ノイズが目立つし肌の色が緑っぽい。3994×5430pxの写真を959×1535に切り出し。切り出し前の状態では、どちらも4K横画面に縦表示では問題のない画質である。でも正直、横画面に横作例だったら違いが絶対わかるレベルの画質差がある。


Canon EOS 5Ds R, SIGMA 24-105 F4 DG OS HSM | Art 013
-1EVで撮影した作例を+1EVした作例。フルの作例は先程のクロップの作例以上のノイズ感。しかし+1EVしてもクロップ+0EVのものとあまり変わらないので、あとから露出を上げた場合のノイズ感には約1段分の差があると考えていいだろう。フルは肌の色が良い。切り出し前のクロップ作例は4K横画面に縦表示で多少ヌケが悪い写りに感じる。


Canon EOS 5Ds R, SIGMA 24-105 F4 DG OS HSM | Art 013
-2EVで撮影した作例を+2EVした作例。フルでも2段も露出を持ち上げると、クロップの一段持ち上げたものよりノイズは多い。しかしコントラストと色に関しては、クロップの+1EVよりも余程しっかりしている。クロップの方はノイズがひどすぎて暗部のディティールが消えているし、階調が悪くなりすぎたのか写真に立体感が全く感じられない。
ピクセル等倍なら画質は変わらない。
私が凝った物撮りをキメているから、皆さんは私が物撮りの人だと思ったかもしれない。しかし、私は物撮りなんてほとんどしない。やたら凝った物撮りをしているのは、写真は実戦で語らなければ意味がないと思っているからだ。カラーチャートや解像力チャートが被写体のフォトグラファーなどいない。私は理論に疎いから実線で示すのだ....




Canon EOS 5Ds R, Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM, 400mm, 1/1250, f8.0, ISO 400
同じ鳥を一回の飛翔中に捉えた作例。フルとクロップ、それぞれの1920×1080px切り出しした作例を比較。左フル、右APS-Cクロップだ。同じ画素数で切り抜けば解像感、ダイナミックレンジ、ノイズ量とも同様。しかし、それは逆算して考えるとAPS-Cに比べフルサイズ、つまりセンサーサイズがデカいほうが画質がいいということ。これが現実....
なぜセンサーが小さくなると画質が落ちるのか
至極単純な話だ。あなたは今、APS-CのISO 800で撮った写真を4Kディスプレイに全画面表示している。画質に問題は感じていない。そこからその写真を1.6倍拡大する。すると輝度ノイズが目立つようになり、そのノイズによって画面が全体的に白っぽくなっていることに気づくだろう。また、拡大したことによって解像感の低下を感じるはずだ。
ダイナミックレンジ広さとはいかに高輝度側の色が残るか、シャドーの階調が潰れず残るかだ。しかし、もう一つの観点がある。暗い部分が暗く表示されるかである。先程拡大すると輝度ノイズが増え白っぽく感じるといったが、ノイズが多い写真は黒が黒に表示されないのだ。つまり拡大表示ではダイナミックレンジが低下しているというわけ。
同じ画素ピッチならAPS-Cはフルサイズに比べて常に写真を拡大してみているようなもの。画素ピッチが同じなら画質が同じというのはピクセル等倍で見た時の話で、実際にはベイヤーセンサーで撮った写真は縮小率がある程度高くないと画質が悪く見える。画素ピッチが同じなら画素数が多いほど有利。センサーが大きい方が有利というわけだ。
コントラストに頼らない真の解像力、そして階調の豊かさについては、小さいセンサーは劣る。しかしノイズ、ダイナミックレンジについてはフルサイズのEOS R (2018)とAPS-CのEOS R7 (2022) は同レベルだ。画素ピッチを考慮に入れたとしてもRは5Ds R (2015) よりはるかに性能がいい。撮像素子は進化のスピードが驚くほど、とても早いのだ。
そういうわけでセンサーサイズにこだわらず、新しいものを買ったほうが良い。しかし同じ年代なら、フルサイズとAPS-Cを比べるとノイズもダイナミックレンジもフルサイズが1段分有利。MFTを比べるとフルサイズが2段分有利だ。この記事を書くために5年ほど前から色々調べているが、5年前もそうだし今でもそうだから物理法則なのだろう。
ちなみに最近R8(2023)を買ったんだけど、こいつがまたすごいんだよ。EOS Rからノイズ特性もダイナミックレンジも1段分上昇しているし、新しいシャープニング技術により2400万画素ながら3000万画素相当の解像感を実現。AFもやばいくらい進化していて、露出判定もかなり賢い。だからEOS RよりAPS-CのR10(2022)のほうが断然おすすめだ。
これ以上読まなくていいぞ、つまらないことしか書いてないからな。
フルサイズ機EOS Rの作例で説明
今や、フルサイズのEOS RってAPS-C機に勝っているのかわからない。というのも搭載しているセンサーが5DM4のものと同じだからだ。5DM4といったら2016年発売のフルサイズカメラである。現在2022年。デジタルカメラはセンサーサイズより発売日が重要だ。今から買うんならマイクロフォーサーズだっていいんじゃない?よく知らないが。


Canon EOS R, Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM, 200mm, 1/160, f5.0, ISO 250
上が撮ったままの状態、下が調整後だ。フルサイズとAPS-Cの違いを知りたいってことは初心者の方だと思うからあえて書くけど、JPEG撮影とRaw撮影の適正露出は異なる。JPEGでは当然、メインの被写体が適正露出であること。しかし、Raw撮影では違っていて、いかに色の情報を失わないかだ。あまり白飛びさせるとデータが戻ってこない。
同じ世代なら、ピクセル密度が高いほど白飛びしやすく、Rawデータの調整幅が狭く、輝度ノイズが出やすい。ということは、同じ画素数ならフルサイズと比べてピクセル密度の高いAPS-Cは白飛びしやすく、結果暗く撮らないといけない。しかし、シャドーをそれほど持ち上げられない。しかも、シャドーを上げすぎるとノイズが爆発的に増える。
6Dをつかっていたときは、ここまでシャドーを大胆に持ち上げることなどできなかった。6Dもフルサイズ機であるが如何せん古く性能に劣る。ダイナミックレンジはEOS R>R7(ISO 100なら同等)>>>6D>RP≒6DM2と言った感じか?ただ、この作例はシャドーを持ち上げたときに画質をキープするためにISO 250、SS 1/160とかなり無理のある設定だ。
つまり、何が言いたいかというと、この状況ではEOS Rではカメラのスペックが足りていない。本当はR6とかR3みたいなカメラが必要なのだ。 とは言っても逆光、 照明無しで動物を撮影するなんて言う状況は普通の人はないと思う。それを考えれば、EOS Rは使ってて困るような性能ではないし、描画はフルサイズっぽく、かつ鋭くリアルだ。

Canon EOS 5Ds R, SIGMA 24-105 F4 DG OS HSM | Art 013, 105mm, "1.6", f11.0, ISO 100
ミラーレスになってフルフレームも重いと感じなくなったが、よくよく考えてみて欲しい。EF LレンズよりもRF Lレンズのほうが重い。実際のところ重いレンズを軽くてショボいグリップのカメラで使うのは苦行だ。私はスナップで使うにしてもこのEOS Rにバッテリーグリップをつけるほどだぞ。一眼レフ用のレンズを使っているせいだけど。

Canon EOS M, SIGMA 24-105 F4 DG OS HSM | Art 013, 68mm, 1/125, f8.0, ISO 100
EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMは1.6kg以上あるレンズだ。最近新品価格が30万円になったね、クッソ重で高いの。確かにRF100-400mm F5.6-8 IS USMは635gしかないな....だけどこんなの暗すぎて使い物ならないっての、EOS Rにとってはであるが。小型モーターじゃAFも遅いだろう。現実的な選択肢が100-400 IIだった。これがフルサイズ。
とはいえ、フルフレームは良い
ボケ量や描画にリッチさを求めるならフルサイズが最適であろう。ボケ量は同じ画角ならAPS-Cより1.3段分も浅く、比較的開放F値の高いレンズでもよくボケる。そして、描画のやわらかさ、これがフルサイズの特徴でもある。とにかくギスギスしない階調の滑らかさが特徴だ。APS-Cは8000Dしか知らないが、ガサッとした写りのカメラだった。

Canon EOS 5Ds R, SIGMA 135mm F1.8 DG HSM | Art A017, 135mm, 1/250, f1.8, ISO 100
EOS 5Ds R (2015) による作例。5060万画素という当時では考えられないほどの画素数をもつフルサイズ一眼レフ。この時代に5000万画素もあったのはラージフォーマットの645zくらいである。そんな先進的な5Ds Rだが、フルフレームセンサーに5000万画素も詰め込んでしまったため、ピクセル密度は2000万画素のAPS-C機並になってしまった。
結果として、私が以前使っていたAPS-C機であるEOS 8000D (2015) とセンサー性能はほとんど同じだ。フルサイズに慣れているとAPS-Cは簡単に白飛びしてしまうのが気になる。家に帰ってRaw現像するときも、あれっ、もっとシャドー上げられるつもりだったのにってなるし....今どきのAPS-Cもマイクロフォーサーズもそんなことはないだろうけど。
この作例は、SIGMA 135mm Art f1.8で撮影した。やはりこのボケ量はフルサイズ以上のセンサーでないと出せない。反面ボケなくても良いならフルサイズ使う理由って薄くなってると思う。ところで、撮影機材が一式タダでもらえるなら私はFUJIFILM X-H2が欲しい........ウソだ、ハッセルブラッドが欲しい....最上の写りってやつを見てみたいからね。

Canon EOS R, Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM, 255mm, 1/125, f5.0, ISO 200
フルサイズで、255mmということもあってf5でもよくボケる。同じ画角、f値ならフルサイズはAPS-Cよりもボケ量が1.3段分多いらしい。別にこれを撮るのにフルサイズのカメラが必要だとは言わないぞ....実際よく知らないし。ただ、よく知っていることがある。この作例の撮影に使ったレンズはめちゃくちゃ値段が高い、その上クソ重いってこと。

Canon EOS R, Canon EF70-200mm f/4L IS USM, 200mm, 1/250, f4.0, ISO 640
この色気のある写りがCanonのフルサイズ。2015年発売の8000DくらいしかCanonのAPS-C機は使っていないけど。ただ、8000Dは2012年発売の6Dよりも相当ガサっとした潤いのない写りだった。Rawの調整幅は同じくらいあったけど。勿論、高感度特性で劣り白飛びしやすいので、フルサイズ機の6Dと比べられるようなカメラではなかったよ。
フルサイズとAPS-C、両方使って気づいた点
注意、ここからの記述はかなり昔に書いたものだ。また、以前書いたの内容はほぼ消した。
....どうも、皆さん。この記事は写真歴が3ヶ月のときに書き始め、知識が増えるごとにアップデートしていったためこの記事は広範な内容を扱う。今は写真歴は4年ほどになるが、撮った写真は多分6万枚くらい....動物写真撮るとはいえ、最近は自粛してたので実質3年....連射しないことを考えるとキチガイレベルだ。
まず最初にフルサイズとAPS-Cを比較して。フルサイズ機にどういうメリットが有るのか。どういう人にフルサイズ機が必要なのか、個人的に思うところを書いていこうと思う。ところで、最近“もうフルサイズはいらない”とかいう謎ワードでここに来る人がいるようだけど、私の率直な意見を述べとしよう。
EOS 5D2や6D、あの頃のイケてるフルサイズ機は当時もてはやされたかもしれない。だけど、今のAPS-Cの方が間違いなく上でしょ。EOS Rと低画素な6Dを等倍で比べても、6D有利なはずがEOS Rに解像感でボッコボコに負てける。高感度耐性もまた然り。結局デジモノなので新しいかどうかが重要なんじゃない?
結論から言うと“もうフルサイズはいらない”んじゃないの....結局はどこまで求めるかだけだよ。
私の所持している。所持していたカメラ
・現役EOS R(フルサイズ) 6Dの精神的後継機。異次元進化した像面位相差AF搭載している。また、ボディーは1DXのようにシャシーまでマグネシウム製でガッチガチ。値段の割にはEVFも綺麗。このベーシック機を見ればCanonがスペック上の数値などにこだわらず、質実剛健にカメラを作るメーカーだと分かる。
・現役EOS 5Ds R(フルサイズ ) 5060万画素ということでピクセル密度は一般的なAPS-C機並だ。使用感はAPS-C機に近く2022年の感覚では2015年発売のAPS-C機ってこんなに使いにくいのかよって感じ。白飛びしやすく、Rawデータも貧弱である。ただ、今時のAPS-C機はEOS R並の性能があるだろう。多分。
・現役EOS M(APS-C) Canon初のミラーレス機、2012年発売。父親が買ったカメラで私は写真歴が長いわけではない。写真を始めたのは2018年だ。8000Dと同じ、ハイブリッドCMOS AFなのだが、AFがめっちゃくちゃ遅い。あまりにももたつくので非常に評判が悪く、すぐに投げ売りされてしまった悲しいカメラ。
・EOS 6D(フルサイズ ) フルサイズエントリー機として鳴り物入りで登場した機種。官能的で美しい画作りは現在のリアルよりのCanon機とは一線を画す。エントリー機?とはいえ頑丈なマグボディーだ。発売当時からAFについてはポンコツで中央一点のみ実用性能。ライブビューAFも怪しくてMF技術必須の機種だ。
・8000D(APS-C) iso感度が一段刻みでしか変更できない、ライブビューだとTTLじゃないストロボが発光しないなど悪ふざけとしか思えない仕様の、自称プレミアムエントリー機。Kissベースなので80Dと比べると強度がなくグニャグニャプラボディ。AFは位相差も像面位相差もまあまあいい。80Dと違い非DPAF機。
・sdQuattro(APS-C) お前何台デジカメ持ってんだよ?いや、これはデジカメじゃないFoveonだよ....超高解像度のピーキーすぎるカメラ。EOS Mを遥かに超えるスローモーコントラストAF。ピントが合っているのかどうか全くわからないEVF、背面液晶。オーバーヒート。癖が強すぎる描画性能。全く地獄だぜ....

↑はフルサイズEOS Rの撮って出し(カスタムピクチャースタイル)。CanonのAPS-Cで馬に露出を合わせるとおそらく背景は白飛びで吹き飛んでしまうだろう。EOS Rはダイナミックレンジがまあまああ広いからなんとか粘っている。逆光耐性が酷いEF70-200mm F4L IS USMで撮っているのでゴージャスな仕上がりだ。
私はキュートポニーフォトグラファー。このジャンルの特徴をまとめてみよう。まずは、望遠ないし超望遠というレンジ。動物なのでシャッタースピード1/250~1/1200程度。そして、逆光光源を多様。さて、どんな機材が必要だろうか?消去法でフルサイズ機となるのではないか?以下に理由を説明しよう。
撮像素子由来の解像度の問題から。私の場合、レンズにおいては超望遠ズームを多用する。しかし、この手のレンズは大した解像力がないので、画素ピッチが狭い(1ピクセルを担当する素子面積が小さい)APS-C機では解像度がガクッと下がってしまう。そう、APS-Cは超高解像レンズでないと解像感を維持できない。
シャッタスピード(SS)とISO感度の問題。動物だからSSは上がりがちだ。もちろんSSを上げれば相対的にどんどんISO感度を上げていかなければならない。昼間の快晴ならAPS-Cでも十分にいける。しかし、曇天だったり、日陰だったり、夕方になってしまうとフルサイズとの差は明確である。高感度特性が1段分は違う。
ダイナミックレンジの問題。逆光写真を多く撮る私としてはかなり気になる部分だ。APS-Cの8000Dはそれより古いフルサイズの6Dより、かなり白飛びしやすい。8000Dだとアンダーに撮って、後からRaw現像でシャドー持ち上げるから階調が失われてベタッとした印象になってしまう。逆光撮影はフルサイズがいい。
上記で私にとって気になるのは、高感度耐性とダイナミックレンジ。実際のところ、解像度ってあとからPhotoshopでハイパスフィルターやシャープネスをかければ4K表示くらいならなんとかなる。しかし、解像力不足、感度ノイズのダブルパンチは写真の解像度を著しく損なう。過酷な動物撮影はフルサイズがいい。
望遠ならMFTだろって意見もあるだろう....MFTの被写界深度はフルサイズの2倍。フルサイズの高感度耐性はMFTの2倍。つまり、MFTにフルサイズの2倍明るい望遠レンズをつければ同等なわけだ........だけど、75-300mm F/2.5-3.2とか35-100mm F/1.4なんてないでしょ?動物撮るにはレンズが暗すぎるんだよ結局。
誤解のないように言っておきたいのだが、小センサーだから悪いと思っているわけではない。スナップなら、安安とパンフォーカスにでき、カリッととした写りのMFTを使いたい。APS-Cだってバランスが取れている。そうは言っても動くものならフルサイズを使いたい。やっぱりダイナミックレンジが違う....

↑APS-CのsdQuattroと超々高性能ズームSigma 18-35mm f1.8 dc hsmで撮った写真。このカメラのダイナミックレンジはゴミ....でも、ゴミなりになんとかなる。すごいカメラなんだけど....ピーキーすぎる性能だから絶対におすすめはしない........シャドー上げすぎて解像感グダグダになってるけど分かんないでしょ....
さて、フルサイズにこれだけのメリットを感じているから私は使っている。皆さんはどうだろうか?別にシャドーなんか潰せばいいよとか、そんなに高いSSで撮ることないしとか、大型プリントなんてしないから解像力なんてそこまでいらないよ。そういう論理的思考が働く人はフルサイズはいらないのかもしれない。
むしろ、目立つのはフルサイズのデメリットだ。ボディもレンズもクソ高くてコスパ最悪。ボディもレンズもデカくて重い。現在、私は必要に迫られてデカいフルサイズを使っているし、使い続けるだろう。しかし、私がフルサイズを購入の至ったのはフルサイズへの憧れからだ。最初は動物撮ってなかったし....
皆さんに勧めます。Canon EF, RF. Nikon F ,Z. Sony E FE.など共通マウントでAPS-Cとフルサイズを迷っているならフルサイズを買ってください。APS-Cを買ってもフルサイズが必ず気になり続けます。私自身8000D買ってすぐに6Dを買い足したから。その点Fujiは安心感があります。上位機種はマウントが違うし....

↑APS-Cの8000Dで撮った愛機のEOS R。被写界深度合成3枚(本当は2枚で十分)。ちっちゃくてかわいい。物撮りするときはセンサーサイズ小さい方がやりやすい。やっぱりね、絞るっていっても限度があるよ。フルサイズだと沢山の枚数合成しないと被写体を完全に深度内に入れられないから面倒なんだよね。
物撮りみたいなライティングができる環境なら、フルサイズの強みってほぼ感じられない。深度が浅い欠点のほうが気になってしまう。だから、ストロボ、レフ板が使えるモデル撮影とかならあんまりセンサーサイズ気にしなくてもいいじゃないかな?私は動物撮影だからカメラの性能でゴリ押すしかないんだけど....
APS-Cはズームでも良いレンズ使えばゴリゴリに解像するから心配は無用だ。単焦点でパンフォーカスの写真を撮ると、8000Dと6DはISO 100なら等倍でも並べて見比べなければわからない。ただ、8000Dの方は若干、階調が粗いのか柔らかい描画が苦手だ....何でもがさっとした質感で写ってしまう。雰囲気が違う。
しかし、階調がなだらかでないのは決して単なる弱点でもない。Lightroomでテクスチャをかけたような描画になるのだ。階調がなだらかでないほうが色と色の境がはっきりし、むしろ解像度が高く見える。私の使うSP 150-600mm G2は階調感に乏しいガサガサした描画だ。だからこそ解像しているかのように見える....
しかし、等倍で見ると150-600mmは大した解像力ではない。たしかツァイスのレンズの話だったと思うが....間違っていたら申し訳ない。曰く、解像力が高くコントラストが低いレンズより、解像力が低くコントラストが高いレンズのほうが、解像しているように見える。ある程度荒い写りのほうが解像して見える。
前にYoutuberがアップしたソニーRX100 Ⅶの動画をいくつか見たが、解像感はすごい....むしろ、シャープネスかけすぎて画が破綻していると思えるほど動物の毛が大げさに描画されていた。RX100は1型センサー、APS-Cに比べるとすごく小さいのだ。画素ピッチが狭まるほど、どんどんガサガサの描画になっていく。

↑EOS Rで物撮りした。フルサイズは物撮りしにくいって言ってたじゃん?そう思われるだろう。まあ、よく分かるよ。だけどねエントリー機の8000Dって、ライブビュー撮影だとTTL非対応のストロボが発光しないんだよ....Canonのエントリー機は機能制限がひどすぎるので、ガッツリ撮りたい人は買ってはいけない。
伝えたいことは、全部書いたのでここでブラウザバック推奨です。私は自身の利益にならないことでも平気でする。何故なら、主は良いことをしてほしい思っておられる。自分のことしか考えないのは良いことですか?だからここに書くのは自身のためではない。そういう訳で、私が書いていることを信用してほしい。
最後に、フルサイズって結局コスパいいなって思うんだよ。本体は多少値が張るけどね....やっぱりレンズメーカー各社が一番頑張ってるのってフルサイズ用のレンズ。TAMRONのSPもSIGMA Artも持ってるけど凄くよく写る。画質的に純正超えてる物さえある。でも圧倒的に安価。型落ち中古フルサイズレンズ最強論。
まだ帰ってない人のために言いいたい、私はAPS-Cの8000DとフルサイズのEOS Rを比較しない。何故なのか?Rは8000Dや6Dとは比較にならない。比べる意味もない。Rや90Dの性能は、それ以前のCanonセンサーとは比べ物にならないからだ。つまり、デジモノはセンサーサイズより新しさが重要だと言うわけ。