
ワイフデザインのスマートフォンケースを作る
愛の試練
皆さんはワイフをお持ちだろうか?
....もちろんリアルの話ではないのだが....愛妻家の皆さんなら、愛するものと常に共に有りたいとお思いだろう。そして、皆さんが肌身離さず持っているものといえばスマートフォンではないだろうか?ワイフデザインのフォンケースを使いたいと思うことは必然ともいえる。
そういうケースをネットで調べたことがある方も多いことだろう。ebayやAliExpressで探せばそうしたケースは、おそらく見つかるだろう。しかし、気に入ったデザインであるかとか、許容できる品質かといったことはまた別の問題である。
GalaxyやiPhoneのようなメジャーな機種なら、フォンケースの印刷サービスやREDBUBBLEを使うのも良い。しかし、それほどメジャーではない機種を使っているのなら1から作らなければならない。面倒だし、技術まで求められる。これは恐らく、ある種の試練なのだろう....
こちらはAliExpressで購入したケース
クリアボディにワンポイントのTPUケースは1つ250円。Skyline19氏が描いた美しいLunaがプリントされているハードケースは500円だ。どの商品も送料無料で、納期は2週間ほどとなる。沢山のケースがあるので自作を考える前に、まずはAliExpressで探してみたほうが良いだろう。
自作するよりも遥かに安上がりだし、良いセラーを見つけられれば品質の高い製品を手にすることが出来る。何より、自作するという苦行をせずにすむのならばそれに越したことはないのだ。
自らのワイフに対する愛を表現したいとか、自分の愛の力がどこまでの苦痛に耐えられるのか試してみたいという狂人以外には自作はおすすめできない。さて、皆さんそろそろやる気が削がれてきた頃ではなかろうか?
使用するのはA-ONE 28791:ラベルシール
この製品は顔料インク非対応とのことなのでご注意願いたい。片側が粘着面になっている透明フィルムで、これをスマートフォンケースの内側から貼り付ける。なんと粘着面越しに絵が見えているのだ。
このフィルム、水張りでなければ気泡を入れることなく綺麗に貼るのは難しいが、水がプリントした部分についてしまうと絵が原型を留めないほど滲んでしまう。
そのため、スプレー塗装による表面の保護が必須である。フィルムは透明なので、保護も兼ねて白色のスプレーで塗装するのが一般的なのだろうが、白で塗装してしまうと、絵以外の部分を全て切り抜かねばならず切り抜きの難易度が非常に高くなってしまう。
そこで今回、私はフィルムにクリア塗装を施しスマートフォンそのものの白色を活かしている。ただ、私のスマートフォンは真っ白ではない。だから、そのまま印刷すると色が薄くなってしまうので画像の色を濃くする対処が必要だった。
白以外のスマートフォンをお使いで切り抜きに自身がない方は、背景がある絵を選ぶか、今回紹介する画像編集ソフトGimpで切り抜きやすい背景を追加しよう。また、細かい部分がある絵をギリギリまで切り抜くと接着性にも問題が出るだろうから、あまりおすすめできない。
透明ステッカーでオリジナルデザインのスマホケースを自作 2
制作に必要なもの
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ステッカー A-ONE 28791:ラベルシール
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フォンケース 私は柔軟性のあるTPUのフォンケースを使っている。普通に扱っている限りは、ケースがしなることによるフィルムの剥がれはなさそうだ。ケースは離型剤を落とすために食器用洗剤で洗っておこう。
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インクジェットプリンタ コンビニのが使えるのかは不明。
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クリアスプレー プリント面の保護、ある程度の塗膜を作っておかないと後で水貼りするときに絵が滲んでしまう。 後述するが、白く塗装する方でも用意したほうが良い。
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白スプレー 白以外のスマートフォンをお使いの方は、白く塗装しておかないと絵が見えなくる。
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アートナイフ とにかく台紙が切りづらいのでよく切れるものを用意しよう。カッターナイフは刃の角度の関係で切り抜きには向かないので非推奨。
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霧吹き 水張り用にあると便利。なければ適当にスマートフォンケースを濡らすだけでよい。
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マイクロファイバークロス 水張り時の水の拭き取り用に。キッチンペーパーやペーパーウエスでも良い。綿のタオルは埃がたくさん出るのでやめておいたほうが無難だろう。
画像データ制作
Gimpは高性能な画像編集ソフトで様々な機能があるが、今回使うのは機能のごく一部だ。非常に直感的に操作できるので、PCのソフトウェアを使い慣れている方ならすぐに出来上がってしまうだろう。Gimpについてより深く知りたい方はこちらの資料に目を通してにしてほしい。
工作....試練の始まりだ

まずは、お使いのスマートフォンの背面画像を手に入れよう。google画像検索で簡単に見つかるはずだ。Gimpを起動して保存した画像をドラッグする。

[ツールボックス]から[切り抜き]を選択したら、背景以外の部分を切り取ろう。この時、[ツールオプション]の[現在のレイヤーのみ]のチェックを外しておく。
工作したことのない方にとっては切り抜きが一番のネックになるだろう。私はカッティングシートでキャラクターを切り抜いた経験が10時間ほどあるので、ある程度要領はわかっていた。しかし、それでもギリギリの位置を曲線を描きながら切り抜いていくのはかなり困難に感じた。これは私の選んだ絵が非常に切り抜きにく形をしているのも一因だが...難しさの原因はおそらく台紙の硬さにある。よく切れるアートナイフを用意しよう。

まずはプリントする
このフィルム、本当にプリンターに吸い込まれないのだ。プリンターは給紙しようと、ローラーを回転させるが空回りするばかりである。私のプリンタは2種類の給紙方式があるが使ったのは上から差し入れるタイプ。給紙方向にフィルムを押してサポートし、やっとの思いでプリントした。また、フィルムが規定位置に来る前にプリントが始まってしまって絵の上の方が切れてしまうトラブルもあった。ただ、印刷の途中で用紙送りのトラブルが出ることはなかった。
あらかじめ保護しておこう
印刷が終わってたら、この時点でクリアスプレーで保護しておくことをおすすめする。スプレーは1回3往復、3セット位で充分だろう。セットの間隔は10分程度開けるように。クリアコートをする面はケース側には来ないのでそれほど拘る必要はないが、大きなゴミがつかないように気をつけほしい。白いスプレーを重ねない人は気をつけて欲しいのだが、あんまり頑張ってツヤツヤに仕上げてしまうとウォーターマーク現象が起きてしまう。ガサついた梨地仕上げにしよう。
カット
触っても大丈夫な程度乾燥したら切り抜く。切り抜きの難易度はカッティングシートのそれに比べれば容易である。カッティングシートのように曲線を切り抜いてもラインが歪んでしまうことがないからだ。だからカットするときの微妙な力加減は求められない。ただ、台紙が硬すぎて切るときにかなり力がいる。切ったつもりが台紙が切れていないということが頻発した。あまりに硬いので、細かいところは少しずつ刻んでいくように切っていったほうが個人的にはやりやすかった。
塗装
切り抜きが終わったら、白く塗装しよう。白く塗装しない方は塗膜が薄いだろうから、切り抜く前の絵に水をつけてみてにじまないか試したほうが良い。完全に憶測になるのだが、白く塗装しない方で絵のギリギリのラインを切り抜いた方は、切り抜いた縁から水が染み込むかもしれない。万全を期すならスプレーを重ね吹きしておいたほうがいいだろう。私は、12時間ほど乾燥させたてから貼ったが、触っても大丈夫な状態で塗膜が水を弾いているのなら貼り付けても大丈夫だろう
水貼りは簡単
フィルムとの間に水があるかぎりはフィルムを自由に移動させることができる。水を押し出すときに埃なども一緒に出ていくので大きく失敗する可能性は少ない。一般的には洗剤水を使うのだが、この程度の粘着力なら水道水で十分だ。手順はケースを濡らしてフィルムを設置。望みの位置にセット出来たら水を拭き取ろう。あとはフィルムの中心から放射状に指で水を押し出す。適宜、水を拭き取りながら行おう。完成したら完全に水分が蒸発するまで数日おいたほうが良いだろう。
失敗はつきもの
一回で成功させようなどと思ってはいけない。そういう考えはストレスのもとである。ここで示すTipsも全て私の失敗経験を皆さんにお伝えしているものなのだ。だから、失敗を前提として考えることが大切である。例えば水張りするにしてもいきなり本番ではなく、プリントしてない部分で実験してみる。白く塗装しない方は印刷の色味を少しずつ変えてみる。こういったリスクコントロールも大切だ。初めて挑戦することというのは思わぬトラブルが起こりがちだからだ。
これは愛の試練なのだ、しかし....
いかがだっただろうか?諦めてしまわれたかもしれない。しかし、それはそれで良いと私は感じている。例えば、求婚したい相手がいるとして、皆さんは結婚指輪を自身で制作されるだろうか?普通は貴金属店で購入するだろう。だからといってそれは思いのこもっていない贈り物になってしまうのか?
決してそんなことはないはずだ。結婚指輪を買うために使った金銭は皆さん自身が努力を重ねて手にしたものなのだから。指輪を買うことは、愛する者のために惜しみなく努力したことと同義だと言えるだろう。だから、ワイフデザインのスマートフォンケースを自作することを諦めてしまったとしても、そのことを恥じる必要はない。
ワイフデザインのフォンケースを身に着けていることこそが重要であり、過程などはどうでもいいのだ。皆さんの中にはスマートフォンを買い換えなければならない方もいらっしゃるかも知れない。しかし、買い換えることは愛のために多大な努力をしたことと同じなのだから胸を張っていい。購入することに決めた方はこちらの資料に目を通してほしい。作ることにした方はDeviantArtへ。

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